「ひつじ」

「ひつじ」



ひつじが 一匹
ひつじが二匹

白いひつじが 左から右へ
羽が生えた様に柵の上
見事に飛んで魅せるのです

けれども私は肝心の
飛び越えた先のその先の
囲いを作る事を忘れ

飛び越えたひつじのその群れが
一体どこへ行くのやら
もしや迷子の子ひつじが
どこかで泣いているやも知れぬのです


だから私はもう一度
そうして私は結局

草原に迷う子ひつじを
まなこを開いて探すのです







愛を込めて


愛子より

「後ろの正面だぁれ」

「後ろの正面だぁれ」


かごめ かごめ
籠の中の鳥は
いつ いつ 出やる



土の付いた膝小僧
目の前に二つ並べて
足をしっかり折り曲げて
両手で強く囲います


こうして僕はこの狭い
宇宙に閉じ込められたのです




後ろの正面だぁれ


後ろの正面からは
可愛いあの子の声がする


けれどもあの子の心地良い
名前は決して呼びません


何故ってもしも呼んだなら
今度は彼女がこの狭い
宇宙の中で ただ一人
足を抱えなくてはなりません






愛を込めて

愛子より

「花の一生」

「花の一生」

人生は自然が教えてくれます。

花は無償の愛を私たちに与えてくれます。



花は

誰も見ていないところで

絶えず寒さと戦い

そして芽吹き

声をあげることも無く、

ただ、そこに咲くのです。


神から与えられた雨と太陽の恵みだけを受け取り


そして散るのです。



私たちの足元で

知らぬ間にその命を美しく終えるのです。


きっとそれは

何事にも変えられない

命ある中で

一番の

安らかな眠りにつくことでしょう。








愛を込めて

愛子より